R

カリガリ博士のRのレビュー・感想・評価

カリガリ博士(1920年製作の映画)
3.7
むかーしむかし、一度か二度見たけどどんな話だったか全く記憶にないので、アマプラで見てみた。サイレント映画自体見るのものすご久しぶり。えっと、見終わるまでに3日かかりました笑 ふだん不眠気味でぜんぜん寝れないのに、前半見ようとするたびにすさまじい眠気に襲われる。数分ずつ寝ながら見て2日目で半分くらい見たときには、もう前半の内容が頭に入ってなくて、あー、まぁ短いからもっかい見よう、と再度見るも、まだ眠い。からの3日目、大して印象変わらないなー、と思ったら、最後にえ? え? え! ええ! えええええ!!! そーゆー話だったのーーーー!!! ってなったあと、更にえ! 待って! 疑惑の上のせ! 最後だけめっちゃ覚醒しました! 冒頭、ある若い男フランシスが年配の男とベンチに座って話し込んでて、そこにフランシスの婚約者が通りかかるのだが、彼女は完全に放心状態、そこらをふらふらさまよってるだけ。それを見て、僕に起こった世にも恐ろしい話をしてあげよう、とフランシスが語りはじめる。本作でいちばん有名やし目立つのは、やっぱ美術。フランシスの住む町でお祭りが催されてて、そこに謎の博士ガリガリが現れ、目覚めることのない夢遊病者チェザーレに未来の予言をさせるという出し物をするのだが、町の中のあらゆるものが、奇妙に歪みまくってて、真っ直ぐなものが一つもなく、建物も窓も街灯もグニャグニャに曲がってる。まるでピカソの絵に入っていったかのよう。CGで何でもピカピカに作れる現代の映画と比べると、手作り感満載なので、安っぽいセットやな、と思ってしまうのだが、だんだんと映像の古くささに馴染んでくると、悪夢の世界に入り込んでるかのように感じられてくる。不思議だ。ただ、強烈に眠気を誘うのが、字幕でセリフが出たあとに、そのセリフを人物たちが言ってるのであろうまぁまぁ長めのショットが入るタイミング。もうちょいトントンとテンポ上げて進んでほしいなーと思うのだが、公開当時はこれでもかなりのテンポだったのかもしれない。それを我慢しながら、明らかにチェザーレによって行われてる謎の連続殺人のダークなファンタジーを、最後の最後までちゃんと見終わると、おおおおおお!!! とストーリー展開の面白さにビックリします。まじビックリ。昔の映画だからってナメてたら。現代たまに出会うビックリ展開のまさに先駆け的ご先祖映画じゃないですか! 相当いろんな面でいろんな映画に影響を与えているに違いない。けど、ボクがいちばん頭に浮かんだのは、Red Hot Chili PeppersのOthersideという曲のMV。ひさびさに見てみたら、美術がとてもガリガリ的。ストーリー的にも何個か思い浮かんだ現代映画あるけど、それはネタバレになり得るので述べません。いやー、途中までのつまらなさを一気に吹っ飛ばすエンディングのために、途中までのつまらなさを耐えるだけの価値がある映画だとおもいました。不眠症の解消にもなりますし。歴史的名作なので一回は見とくとよいかもしれません。知らんけど。
R

R