爆裂BOX

ブラック・リバーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ブラック・リバー(2001年製作の映画)
3.5
作家のポーは元妻のせいで愛犬をなくし、失意の中で立ち寄った田舎町ブラック・リバーで警察に逮捕され、手違いから車もスクラップにされ、カードも無効にされ町から出られなくなってしまう…というストーリー。
ベストセラー作家ディーン・R・クーンツが原作と製作総指揮を務めたSFスリラーです。
田舎町ブラック・リバーに立ち寄った作家ポーが町から出られなくなっていく様子が描かれますが、警察に車の盗難容疑かけられて逮捕されたり、押収された車はスクラップにされ、車を買おうとしてもカードは無効にされたりしてドンドン逃げ場を封じられていく感じが良いですね。町の境界線走って逃げようとしたら人工衛星からレーザー攻撃来るところは流石にちょっと笑った。執拗にポーを付け狙い彼の前に姿を現す黒い大型車や、町中に仕掛けられ、彼の行動を監視する監視カメラ、謎の男からかかってくる電話なども不気味な雰囲気を漂わせます。暴力的なならず者は町にふさわしくないと感電死させられたりする所はディストピア感漂います。一見平和そうな田舎町だけど、気づくとずっとこっちを見てくる老人三人組などの描写は如何にもアメリカのモダンホラーって感じで楽しいですね。
ダイナーで働くウェイトレスマーサの生き別れの妹として町の呼ばれ、ポーと恋仲になる女性は町の住人になる代わりに大きなプロジェクト任されたりとポーとは反対に幸せになっていくのも面白いですね。
後半、相手の正体が徐々に明らかになっていきますが、ここでまさかのオカルト要素がちょっと入ってくるのはちょっと驚きました。でも、その後の展開見る限り市長に兄だと思わせたのも人工知能なのかな?人工音声とか使って。AIがさらに発達した今現在だとちょっとありそうかなとも思わせられます。
所々で入る哲学的なナレーションも印象的。
主人公が犬好きで、死んだ愛犬に似たゴールデンレトリーバーが登場する所はクーンツらしいなと思いましたね。
一見ハッピーぽくて不穏な感じ残すラストも好きですね。町の住人であること受け入れれば眺めのいい立派な家とゴールデンレトリーバーもらえて幸せな環境であるのは確かだけど…
このジャケットの様に巨大UFOが登場するシーンはありません。
テレビ映画で派手なシーンは無く静かな展開ながら、全編覆う雰囲気がいいのか最後まで結構飽きずに見れましたね。
最後に遅ればせながら作品登録ありがとうございます。