タカ

NOPE/ノープのタカのネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

Gordy's birthday

ジョーダン・ピール監督最新作
『アス』を観ただけだけど、テーマ性がしっかりありメッセージを含む映画を撮る印象
今回もわりと難解で読み取れないところがあるんだろうなぁと
単純エンタメ大好き単細胞男としてはハードル下げ気味で行ったら、、、
もう大満足‼️‼️
もちろん深く考察する余地はあるのだろうけど、わりと娯楽寄りじゃない??
個人的にはモンスターパニック大作としてめちゃくちゃに満足‼️
全然違うのだけど『トレマーズ』が頭を掠めた
地中と空中、"音を立ててはいけない"と"目を見てはいけない"、舞台は荒野
対になっているような気がしてそりゃあ好きになる

宇宙からの未確認"生物"
工物じゃなくて生物
吸い寄せられるのでなく食われる
その切り口が最高❗️
宇宙題材のこういった切り口特殊な映画が好み
シャマランの『サイン』とかね
劇中のセリフで"UFOの呼称が使われなくなって
いまやUAPになっていてみんなの関心が無くなっている"というニュアンスのものがあったんだけど
この映画でやってるのはまさにそういうこと
前半で散々にUFOを意識させて姿を見せた後も「やっぱりね」と思わせてか〜ら〜の〜〜という展開
典型的なものはやりません🙅‍♂️という意志がほとばしっている

ジョーダンピールの目を離させない演出
序盤からずっと
何か変だなぁ変だなぁ
何か嫌だなぁ嫌だなぁ
の雰囲気を出し続けて
要所で"馬小屋のフェイク・グレイ星人"、"ゴーディの誕生日"といった緊張点を持ってくる
効果的な演出でこちらは「どうなるの?」と目は釘付け
正体が生物だ!と分かってからの作戦会議のシーンなんて大好きで地図上に各々の駒が置かれていくのにワクワクする
そして言わずもがなのラストバトル
もう完全に前のめりのなってスクリーンを凝視していた
この引き込ませ方は単純に監督の手腕

動物ならば……
高度なテクノロジーを持った工物への絶望と比べたら生物への突破口がまだありそう
「熊なら後ろを向かない、牛なら赤い服を着ない」というOJの妙な説得感
そもそもOJは最初から"あれは船じゃない"とか言ってたし、妙に落ち着いていたので本能的に正体を感づいていたのだろう
動物の育成を生業にしているだけにそのあたり説得力がある
動物の暴走といったら「ゴーディの誕生日」のくだりがその予言的シークエンスになるだろう
あれがあることでその後の展開が示唆される
親父さんが馬に対して「縄張り意識が…」というセリフも正体生物の示唆かな

全員を狂わせる"最悪の奇跡"
結局のところ"やつ"の存在にみんな狂っていく
OJ達(兄妹+エンジェル+ホルスト)と記者は"やつ"を映像に収めたい
ジュープは出し物として"やつ"を消化したい
OJの親父さんは"やつ"を手なづけたい
奇跡と出会ったことでみんな欲を持つ
その欲は禁断の果実
一連の出来事はゴーディをメディアのおもちゃとして利用した惨劇の再現である
その欲によって全員順番に退場していくが、OJ兄妹(おまけでエンジェル)は生き残る
映像に収めたいという欲求は名誉やお金のためというものではなく、単純に"やつ=奇跡"を残したいというものだったのではと思う
その利にならない邪でない欲求だからこそ生き残ったのではと思う
あるいは縄張り意識は人間にもあって本能vs本能のぶつかり合いになったという解釈もありかなと思う

終盤の伏線回収
井戸の記念撮影‼️
うわーーーと思わずガッツポーズした
で片がついた途端に閉園のアナウンス
最後「Hasta La Vista」って言ってなかった??完全にシュワちゃーーーん‼️となる
ゲート越しのスコーピオンキング
笑ってしまうエンディングだな

全体感として
新たなる支配者ってイナゴでもなく恐竜でもなく"やつ"だったんだなと思う作品だった
タカ

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