このレビューはネタバレを含みます
映画館で予告編を観ただけの情報で鑑賞。
冒頭急に空から降ってきた“何か”が頭に突き刺さり主人公の父親が死ぬ。
それはレントゲンを見る限り硬貨だった。
最悪の奇跡の始まり。。。
前半の静かな展開からの、後半一気に疾走する展開が見事。
それとちょこちょこ笑わせてくれる。
当初見え隠れする空飛ぶ円盤=中に知的生命体がいるという先入観が強かった為に、円盤自体が生命体で人や動物を捕食するタイプのクリーチャーという設定はなかなか予想の斜め上をいった。
しかも、この生命体が何なのかは最後の最後まで分からない。
宇宙から来たのか、元々地球にいたのか、何者かに作られたのか一切謎で終わる。
それとこの未知の生命体との戦いが“生きるか死ぬか”という理由じゃなく"撮影すること"が理由で"一攫千金の為"というのが面白い。
そういう意味ではあの井戸の撮影装置で生命体を撮影できて“やったぜベイビー！”からのマスコミが来ていてスクープにならなかったというバッドエンドなのも良い。
個人的には本編よりもチンパンジーのゴーディのシーンが一番印象的だし、かなり怖い。
ドラマの出演者達を殴り殺しまくるゴーディ。
そして、ジュープが机の下で隠れていたのに気付いてゴーディが向かってくる時のドキドキ感は半端ないし、グータッチした後に頭を撃ち抜かれて死ぬとこは何とも言えない虚無感に襲われる。
このゴーディのシーンは何で必要なのか。
本編とほとんど関係ないなと思っていたら、なるほど関係あるのよね。
あるホームドラマに出演していたチンパンジーのコーディがある日凶暴化して、出演者を殺してしまうけど、この時子役で出演して生き残ったのがジュープ。
「動物を人間の身勝手でエンタメに利用するのは、制御不能になることがあって非常に難しい」という事をジュープは過去に散々な目にあって身につまされていたのに、あの謎の生命体を手懐けてウェスタンランドの見世物として利用しようとしていた。
そして結果的に観客も自分も謎の生命体に吸い込まれてしまう。
ジュープは全く過去の経験を活かせない愚かな人間だということなんだろうね。
ていうか、人間は根本的に愚かな生命体なんだよね。
