昨今のお話ではない、昔から蔓延ってきた”有害な男らしさ”。耳にする機会は増えど、世の中はさほど変わることなく、無神経な人は気付きもしない。
男の人から女の人への黙認されてきた無礼や不快感の根源がとにかく生々しく凝縮された作品で、キツすぎてたまらなかった。怖かった。これは主観や自分のみてきたこれまでの経験をなしにみることは不可能。数日経ってるけど数々のシーンが良くも悪くもフラッシュバックされる。間違いなく今後に色々影響してくると思う。
アレックスガーランド監督お馴染みの広大な自然も魅力的なところで、癒される面もありつつ、独特のセンスで恐ろしさも映し出すのでぞくっとします。ジェシーバックリーとロリーキニアの怪演も息を呑むほど。
以下ネタバレになるのですが、
試写会とのことで監督のお話を直接お伺いできる機会があり、今作を生み出したきっかけのひとつである、12歳の娘さんの存在を知ることはとても興味深かったし、”これは他者を指さしているのでなく、自戒として自分なりに問題と向き合ってみた”という作品に込められた正直な思いを見終わった直後に聞くことが出来て、物凄く安心しました。”男はみんな同じなのか”という問い、まだ答えは出せないままです。とにかく自己愛は大事だと思う。なんで他人にそこまで求めるんだろう？とも思ったり。Lesley DuncanのLove Songを聴いて暫くは考え込みたいと思う。
