何がアート作品でどこが『ミッドサマー』に似てるのか分からなかった話。
どちらかと言えば本質的にはダーレン・アロノフスキー『マザー！』の方が近い。
禁断の果実に齧りつく未亡人、全裸の侵入者、責任転嫁、妊娠と出産など創世記をモチーフとした原罪を印象づける。
アレックス・ガーランド監督の傑作『エクス・マキナ』では混乱の収束を象徴する幾つもの機械仕掛けの神の仮面が登場するが、本作『MEN同じ顔の男たち』では嫌悪や恐怖を与えるものとして同じ顔が出てくる世界観がキモい。
また、男性視点による女性性を利用した前者の作劇に対して、後者は"女性視点"による男性性の有害さを物語のキモに据えている。
『エクス・マキナ』と対を成す作品として観ると面白い。
