せりな

ナショナル・シアター・ライブ 2022 「ブック・オブ・ダスト ~美しき野生~」のせりなのレビュー・感想・評価

4.0
ライラの冒険で有名なダークマテリアルズシリーズの前日譚にあたるブック・オブ・ダストの1作目の舞台化。
ニコラス・ハイトナー演出でブリッジシアターでの公演なだけあって、演出が見事。
ハイトナーが細部にまでこだわって作ってる劇場だから、演出の自由度が高くて見ごたえがあります。
プロジェクションマッピングに使われている素材もこの舞台にあわせて1から作られているし、相当な準備期間があったと思う。
ダイモンのパペットの造形もこの演出にあわせたデザインになっていて、すべてのバランスが良かったです。

ストーリー自体も長編の原作を見事にまとめているし、ダークマテリアルズシリーズが好きな人にとっては、かなり楽しめる内容になっていると思います。
あとは、何といっても赤ちゃんが基本的にリアルなこと。
収録時の公演では、オーディションで選ばれた中でも特に大人しい子が出演している。
本物の赤子が出てくると観客の空気が変わるし、よりライラという存在の特別さが際立っているように感じました。

演者のレベルが高いのはいつもの事だけど、演技、音楽、美術、演出全てのバランスが素晴らしかったです。
せりな

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