イベリー子豚

不思議の国の数学者のイベリー子豚のレビュー・感想・評価

不思議の国の数学者(2022年製作の映画)
3.5
「【学歴社会】【脱北者】の割に
ケレン味やヒリツキのない
【Eテレ】風の数学版『GTO』(コンプライアンスに違反しない)」
「【隠(かくし)の後藤】が主人公の『ヒロアカ』」




「長編映画」と言うよりは「SPドラマ」。


うーん……弱い。

これではお尻も脳も疲労に耐えられません。

従って
登場人物を好きになる前にドロップアウト。


せめて
主人公にはTシャツを履くぐらいの
キャラの濃さが欲しかったですね。



『バッド・ジーニアス』の
「社会的ハイプレッシャー」はなんかマイルドだし
『ホーム・カミング』の
「数学オリンピック前夜、倉庫に閉じ込められて
仕方なくスーツのチュートリアル」の
ハラハラワクワクも当然ありません。


ってか
『僕の世界の方程式』に全然、届いてませんですよ。


「数学」映画は「潜水艦」「刑務所」に並ぶ
激アツジャンルって聞いてるんですよ、こっちは。


我々は
「ハンマーで壁ブチ抜いたり」
「ボウリングの球に両手接着されて怒羅江悶くんになってビニール紐バンジーかましたり」
「拐われた女子生徒助けに
半グレのアジトにカチコミかけて
《てめぇどこの組の回しモンだ!?》
《2年4組だバカ野郎!!》って
反社・全殺ししたり」しちゃったりする
「常識ブレイカーな教師」や
「才能ゼロを努力と努力と努力で
オールマイトしちゃう」
「無個性なスーパーど根性生徒」が観たかったワケで……。
(もしかして私だけ??)


深刻なイジメとか
崩壊寸前の家庭とか貧困な半地下生活とか
「北」からの執拗な妨害とか……ないんかい!


これじゃ進研ゼミやないか!!



あと
「ちょっと生意気」「男友達系女子」との
やり取りは楽しかったのに
ほぼモブと扱い変わんないのが勿体ないよね。


必ずしも
恋愛しなくてもいいんだけど
キャラの魅せ方がやっぱり……なぁ。


「苺ミルク」でお茶を濁されても困りますん。


エンディング前の
「黒板フォントでQ.E.D.」のダサさもヤバい。

センスが『冬ソナ』の頃じゃん。



以上、
好きな方には申し訳ありません。



僕が
数学的帰納法をマスターしていれば
きっとこんなことには……。