ぬーたん

イル・ポスティーノのぬーたんのレビュー・感想・評価

イル・ポスティーノ(1994年製作の映画)
3.0
チリの詩人パブロ・ネルーダに逮捕状が出て、イタリア・ナポリの島に夫婦で亡命して来る。漁師の息子マリオは彼専属の郵便配達人になる。2人は交流を重ねるうちに親しくなり、マリオは詩の世界の魅力を知るが…。

イタリア・ナポリ沖の小さな島。『ニュー・シネマ・パラダイス』や『ゴッド・ファーザー』などを彷彿とさせる舞台で、パブロ役は、アルフレードのフィリップ・ノワレと来た。
『ニュー・シネマ・パラダイス』を意識した舞台とキャスト、ストーリー展開で、何だか二番煎じの、狙いすぎ感は否めなかった。
マリオ役は脚本も手掛けたイタリア人のマッシモ・トロイージ。
生気のない顔に苦しそうな演技は島人の素朴さを出すためかと思いきや、病気で撮影12時間後に亡くなったそうだ。パブロの残した物を愛おし気に撫でるシーンは良かったけど、あとはどうもしっくり来なかった。でも、最後の力を振り絞ってこの作品を完成させたのかと思って改めて観ると、彼の静かな演技も納得はいく。頑張ったんだね…。

美しい景色と、ゆったりとした時間の流れ、癒される音楽、ロマンティックな詩。材料は揃って、ハンカチを用意!なはずなんだけど…。
前半は2人の交流が温かで良いが、眠くなるほど、物語が進まない。
中盤から動きだすが、ラストも拍子抜けで、ハンカチは濡れなかった。

皆さんの評価が良いので、レビューしにくいけど、いま一つ乗れない作品だった。
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