だいき

LOVE LIFEのだいきのレビュー・感想・評価

LOVE LIFE(2022年製作の映画)
4.0
2022年公開映画144本目。

人生は引き返せないオセロのよう。

『歓待』、『淵に立つ』、『東京人間喜劇』、『本気のしるし』と人間の裏表をオセロゲームのように描き、部屋の中で白黒共存する世界を描いてきた深田晃司監督。
本作は幸せな雰囲気から一転、二転、三転、オセロの得意な息子が不慮の事故で死ぬ。
オセロ盤はそのままに団地の部屋に残され、くるくると白黒に反転するオセロが息子の死によって動くことがなくなったと同時に、今度は人間関係がオセロのようにくるくる反転し始める。
人生は不確かで曖昧なまま進むことの連続で、恋愛なんてその最たるものの一つ。
結婚してるけど不倫する、傍から見れば仲良しカップルだけど実はどちらかが(もしくはどちらも)浮気をしている、恋人はいるけど過去の恋愛を引きずっているなど。
人間の心は不安定であることを冒頭から醸し出している。
近年の邦画及び韓国映画の精鋭たちのエッセンスが凝縮されたような映画だった。
だいき

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