富樫鉄火

ヌーラは光を追うの富樫鉄火のレビュー・感想・評価

ヌーラは光を追う(2019年製作の映画)
3.5
#42 イスラーム映画祭7@ユーロ
『ある歌い女の思い出』でデビューした少女Hend Sabryの主演で、ほぼ40歳、ド迫力おっかさんになっていた。
物語の骨子は、ほとんど松本清張『たづたづし』と同じで、要するに再婚を目指す女性には服役中の夫がいて、それが思いがけずはやく出所してしまい、離婚→再婚手続きができなくなり、このままだと姦通罪で、今度は女性のほうがムショおくりになりかねず、焦る話。
イスラームでは婚姻関係のない男女の交合は即「姦通」だそうなので、もう少し落ち着いてことを進めていれば、こんなことにならなかったような気もするのだが。
結局、またも男による暴力沙汰で事態が荒れるわけで、胸が痛む。
本作と『ある歌い女の思い出』を2本ならべた、本映画祭主宰者のセンスに敬意を表します。
今年も、とてもいい映画祭でした。
来年も楽しみにしています(1週間で、これだけの数を観るのは不可能で、それだけが毎年、残念)。
富樫鉄火

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