𠮷田監督の新たなる傑作爆誕。
YouTuberへのリスペクトと風刺。人間性をひた隠しにできるネット上で、私達は誰かを犠牲にしないと快感を得られないのかもしれない。見ている私達が問われている部分でもある。皆笑っていたけど、それ以上に突き刺さっているのではないだろうか。
悔しいよな、善意から始まったのに。罪を伴う暴力よりも悪い事のように見える、罪には問われない仇。芸能人の伝記映画を観ながら感じていた、有名になるとすぐに薄情になるあの感じ。あれがもう目の前まで近づいてきている。人間の転落の見せ方が自然なのはさすが𠮷田監督というところ。
映画は時代を映す鏡だとよく言う。その時々のイマが永遠に残る。消費され、新しいものを欲する。残念ながら今、時代の台頭は、その時次第のYouTubeなのだ。
GOD Tを少し擁護したくなるのは田母神さんの不条理な運命を見ているからだけど、現実で同じような理由を語りながら暴露している人には冷たい目を向けてしまう。正直自分にだって、簡単に動画を回す若者を薄情だと思う節がある。もしこの映画に警告的な要素があったんだとしたら、ものすごく挑戦的な事をしているよな。これを観た後にふと開くYouTubeは、何かが明らかに違う。
追記:ポエムっぽい感想を書いている私たちにはよく刺さる場面があります...苦笑
