さーやorべりす

シスター 夏のわかれ道のさーやorべりすのネタバレレビュー・内容・結末

シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

中国は過去ひとりっ子制を施行していた。
私の友人も、昔は「内緒だけど妹がいる」と言っていたが今はSNSでも公表している。
中国と言っても広いので中国の常識も様々…。友人は男だし日本にほぼいるし上海のしっかりしたお家柄であるからこの映画とはまた状況が違ってきそう。
そんな中、男の子が欲しい親が娘を障害者だと偽り2人目懐妊を希望する国への書類を偽造していた過去もある中、いきなり交通事故で両親共亡くなると、会ったことも無かった小さな弟の姉にいきなりなる話。

よく中国人の過激な日常の喧嘩の動画がTikTokのような縦型でまわっているがこちらにもその拡散は出てくるのでリアルだった。

正直子供得意じゃないので肉まんどうこうのくだりとかあたりとかもイライラしかなくて本当に姉が可哀想で仕方なかった。
親ガチャというより国ガチャみたいな(時代ガチャ?)設定なんだろうがどう考えても親ガチャ失敗の1つの例じゃないか。
親に勝手に志望校を変えられたり、男の子が欲しいだけで親はまともなのよみたいな話には見えなかったから。
なのでなんの説明もないままただ姉だから、女だから(勉学を)諦めるのが当たり前みたいなのが中国全土の常識だったなんて思いもしないしひとりっ子ゆえにとてつもなくお金をかけて車で送り迎えをしてもらうようになっている(もちろん娘一人であっても)みたいなの聞いてたし、努めている病院の女性だって親が医者で自分も女性だけど医者になってるわけじゃん?親ガチャ(親戚一同それが常識かのようで詰んでいる)だと思ってる。
主人公が可哀想で仕方なかったし私はこんな思いをさせるくらいならなぜ産むんだと思うから…。
子供は道具じゃないし日本人でもいるし映画内でもそんな言葉が出てくる、さも当たり前かのように「育てるから老後は面倒みてもらう」みたいなのハラスメントにしか感じないんだよねその感覚。
それでも、人間情というものもあるし、
生活をともにすればってこともあるし、
お姉ちゃんは僕のこと嫌いなの?
と確認してきたあたりから会場でもグスングスン至るところからすすり泣きが聞こえる…
そんな私もそこあたりから男の子と離れなきゃいけない選択肢以外を応援したくなってみていた。
ただ、絶対に(不慮の事故で迷惑かけるつもりはなかったとはいえ)こんな親の身勝手な行動で主人公の医者になりたいという、北京の大学で勉強したいという気持ちを諦めてほしくなかった。
私は、二人で北京に行ってほしかった。
あの終わりは諦めたという断言はしてないけど、あの生活状況じゃ無理だよなと思った。