七瀬

オールド・ボーイ 4Kの七瀬のネタバレレビュー・内容・結末

オールド・ボーイ 4K(2003年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞した映画館ではR18表記になっていたので、よっぽどグロいんだろうな……と覚悟決めて見たら、これはエロでもグロでもなく倫理的な年齢制限だなと納得。

伏線が結構わかりやすくて、犯人が主人公に行った「復讐」の決定的な部分には途中で気づいてしまったんだけど、でもそのバラし方が絶妙に最悪で最高だった。

個人的に、この作品は主人公サイドにも犯人サイドにも全然共感できなくて。
確かに主人公は理不尽な目にあって可哀想ではあるんだけど、それまで清廉潔白な人間でも無いからか、人として好きになれるタイプではないんだよなあと。

むしろ犯人であるウジンの方にかなり惹かれてしまった。
信念がずっと一貫してブレないんだよな。
主人公のオ・デスが泣いて縋って舌まで切り落とすのを、口を手で押えて笑いを堪えているウジンが痛々しいなとさえ思ってしまった。
彼の「お前への復讐を終えたら、俺はどうやって生きればいいんだ」的な言葉は彼の人生の全てを物語っていて。
オ・デスも、監禁から解放されたあとに「復讐を終えたら俺は「オ・デス」に戻れるのだろうか」って言ってるけど、本当に復讐のためだけに生きていたのはウジンだったんだよな。

ラストシーンの後は、ああ、そうやってオ・デスは彼女と生きる道を選ぶのね…………となんとも言えない気持ちになった。
ウジンは「全てをわかった上で俺たちは愛し合った」って言っているので、そこがオ・デスとは正反対で。

オ・デスは生きることに強かで、ウジンは「弱かった」のかもしれないなと思う。
まあ、オ・デスが2度死のうとしても生かしたのはウジンだし、そもそも15年間の監禁で彼を強くしたのはウジンなのかもしれないけどね。

とにかく面白かったので、原作とかアメリカ制作の方とかも見てみたいな〜。
七瀬

七瀬