猫

チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテの猫のレビュー・感想・評価

3.9
題名の意味は
"キタキツネの霊送り"

私にとっては衝撃的な映画だった。
アイヌのドキュメンタリーであること
アンコール上映であること
で、鑑賞を決めたのですが、、

祭りごと
風習
文化
色んな言葉が頭を巡った。

アイヌにとって
食べるために殺すことは
「彼らがその役目を果たして神の国へ帰る」
ために必要なことであり、
すべての命に
きちんと感謝を持って接することで
「命」と向き合う。

どんな事柄でも必ず意味があり
その意味を知るためには
其処此処の、歴史と文化を知らなければいけない
という事を、
遠い外国では無く
この日本の中にも存在すると、思い知った。

元の映像は1986年
貴重な記録映像。
終始ナレーションはキタキツネの語り
祈りの言葉はアイヌ語

観ていたときは
狐が気の毒で、とても辛かったのだけど
これが
祈りであり、
(しかも祈りの言葉を少しでも間違えたら神の怒りを買う!)
善きこととして伝承されていた
という事実を知り
でも、直に肌として納得できはしないけれど
(それくらい衝撃的な映像でした)
自分の中で折り合いをつける事が
他者を理解する手掛かりになるのかもしれない
と思った。

貴重な映像です、ぜひ沢山の方に観て頂きたいです。
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