ななこ

チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテのななこのレビュー・感想・評価

3.2
イオマンテのめちゃくちゃ貴重な映像資料。
監督の主観はできるだけ入れず、その人物と儀式をシンプルに記録するためのものなのかなと思った。非常に興味深かったです。


ナレーションが、アイヌの神謡を参考にした狐の一人称語りだった。これがむずかしい。
殺される側の狐が一人称なのは、アイヌの価値観だと普通のことなんだろうけど、映画を進行させるナレーションとして考えるとやっぱり違和感がある。ただ単なる記録映像ではなくこれを「映画」たらしめてたのはこのナレーションなのかなぁとか。(ドキュメンタリーの語法全然分かんないけど。)
「殺される狐が喋ってる」違和感が映画序盤から来るのと、普通の状況説明のナレーションから急に「私は」って狐主観に変わるのが何とかなれば馴染めたかも…?

語りやインサートと一緒に入る音楽めっちゃ良かった。豊川容子さん、アイヌシンガーの方らしい。覚えておく。

儀式の祈りの言葉を、アイヌ語と日本語で字幕付けてるのほんとにすごいと思った。ダイジェストじゃなくてちゃんと一連の言葉全部使ってたし。その訳が無かったら、映画の印象けっこう変わってたかもしれない。

やっぱ民俗学とか文化人類学好きだなぁ。ちゃんと勉強したい
ななこ

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