内容はかなりいい。テーマも前向きで面白いんだけど、要所要所でズレを感じてしまう完成度でした。
ズレと感じてしまう1つは挿入音楽がシーンと噛み合ってない。
もう一つは子役の演技力だろうか。
いつもすまし顔の子供なんだけどこれは狙ってるのかリアリティーを追求したものなのか。単に大人びた子供の役なのかわからないが、心の奥が全く見えなくなかなか感情移入出来なかった。
だが!この作品いい点もかなりあります。
ストーリーの持っていきかた。ラストでわかるこの作品の本質。ここはかなり良かったと思います。
余命5ヶ月を宣告されたシングルマザーと子供の話なんだけど前半すごくポジティブなんだよね。
母子の愛を感じるシーンがいくつもあって余命が迫っているというのも忘れてしまうくらい。
中盤、母親がそこそこ嫌味ったらしい男性に好意を示す。ここは愛あるシーンを盛りたかったのかな、と観ていたんだけど、ラストでこの半ば強引に盛り込んだシーンの意味がわかってきます。
この2人のシーン、海辺のあるハプニングで一気に距離が縮まるんだけどなんかこの辺は韓国映画だなあて思いました。
そしてラストシーンでこの作品のテーマがわかってきます。
後半一気にシリアスになります。
母の命の灯火がだんだん消えていきます。
どうしようもない結末にただただ我慢と悔し涙、寂しさが滲み出ます。
そして母は去っていきます。
さあこの作品どういった作品かと言うと
私が死んだ後、子供を幸せに成長させ育ててくれる人を探す旅の記録なのではないかと思ってます。
結果見事に母親が去った後でも子供は力強く生きようと示しています。
そんなテーマだからこそあーいうポジティブな音楽を巡らせたのかななんて思ってます。
タイトルの"もう大丈夫"は私がいなくなってもあなたはきっと立派に成長するよ。という息子に向けたメッセージだろう。