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ストーリー・オブ・フィルム エピソード3. 世界中に現れた巨匠たちのleylaのレビュー・感想・評価

3.7
映画の勉強として。
映画誕生から120年にわたる映画史を紐解くドキュメンタリーで、全15話のシリーズになっているTVシリーズ。

この3話目には、1918~32年の作品の表現手法を紹介していて、小津安二郎&溝口健二監督が紹介されているとのことで観てみました。香川京子さんがインタビューに答えています。

エルンスト・ルビッチ、リュミエール、フリッツ・ラング、ムルナウ、ルネ・クレール、セルゲイ・エイゼンシュタインなど、蒼々たる名匠たちの映像とともに表現方法の変遷が学べます。

今作の監督はかなり日本映画贔屓で、一番好きな作品に『にっぽん昆虫記(今村昌平監督)』を挙げたり、腕には田中絹代さんのサインを模したタトゥーを入れてるんだとか。


📌覚え書きとして(小津・溝口監督に関して)

・ハリウッドがプロデューサー主導なのに対して日本は監督主導なので自由な表現ができている。
・小津、溝口の「構図」は多くの監督に影響を与えた。

〈小津監督〉
・英雄の存在を信じず、「人は平凡だ」と表現する反ハリウッド的な精神を持っている。
・時と共に移りゆく“物のあわれ”を表現している。
・最も偉大な監督であり、映画史上最も調和がある。

〈溝口監督〉
・日本の傲慢さ、特に武士の気位の高さを非難し、不幸な境遇にある女性に注目している。


〈香川京子さんのお話〉
小津さんはウチワを仰ぐシーンで“3回仰ぐ”など細かく指示するが、溝口監督は演技指導は一切しないで何度もテストをする。「相手の動きに反射してください」と何度も言われたのだとか。
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