モールス

旅愁のモールスのレビュー・感想・評価

旅愁(1950年製作の映画)
4.0
ジョーン・フォンティンの美貌目当てに観ました。「レベッカ」「忘れじの面影」と観れば、当然本作となるわけです。
この女優さんの繊細な美しさは前出のミステリー作品でも活きてたのですが、本作の舞台、イタリアの名所となると更に活きてたと思いますね。お洒落な背景の映像への溶け込み方が素晴らしいです。
ストーリーも面白いですよ。乗るはずだった飛行機が墜落して、乗客名簿に名前残っていたヒロインのマニナとデヴィットの二人。このカップルは不倫関係でした…。そこでこの事故で亡くなったものとして、二人で駆け落ちすることにしたのです。なんとなくミステリーっぽいところがあり、ヒッチコック作品に出演していたジョーン・フォンティンにとっては適役だったかもしれません。
後に二人が生きてることが発覚しますが、不倫作品でありながらも、ドロドロ劇にはなりません。デヴィットやその妻子も案外クールなレスポンスでした。この演出が本作を上品な大人のラブストーリーに仕立てると思いますね。
それぞれの登場人物たちが押し付けがましくなく、妙な淡白さが個人的に気に入ってます。メロドラマ映画の良作だと思います。
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