◆あらすじ◆
アレックス・ルイスは凄腕の殺し屋だが、アルツハイマー病を患っており、引退を考えるも再び殺しを依頼される。ところがその対象が12歳の少女だったことからアレックスは殺しを行わなかった。ところがその少女が殺されたことを知り、アレックスは依頼主をターゲットに動き出す。一方、人身売買事件でその少女を保護していたFBI捜査官のヴィンセント・セラも少女を殺した犯人を追い始める。
◆感想◆
老齢でアルツハイマー病を発症している殺し屋が幼い少女の殺害を拒否したことで命を狙われる一方、子供を食い物にする依頼主への反撃を行うストーリーとなっており、ハンデを追った主人公がそのハンデと付き合いながら殺し屋として動くと共に人身売買組織を追うFBI捜査官とも上手く絡んでいく姿が他にない独自性があってストーリーの先への興味を惹かれました。
アレックス・ルイス(リーアム・ニーソン)は殺し屋として超人的な強さを持つ一方、アルツハイマー病による記憶障害があり、多数を相手にすると時折、持病に苦しむ姿が見られて強さと弱さを併せ持ったキャラクターとして魅力的でした。
アレックスの殺し屋としてストーリーが進む一方、FBI捜査官のヴィンセント・セラ(ガイ・ピアース)が人身売買組織の摘発に動くストーリーが並行して進んでいきます。ヴィンセントは極めて捜査に対してストイックで、生真面目さが伝わってくる人物として描かれていて、保護した少女に対しても真摯な態度で向き合う姿が好印象でした。アレックスとヴィンセントは一人の少女をきっかけにストーリーが交錯していき、アレックスが自分が悪であることを認識してヴィンセントに正義の執行を求める姿は本作の見どころだと思います。
ストーリー後半になると、アレックスとヴィンセントの関係に大きな変化が生じていくとともにヴィンセントの前に権力者の妨害が立ち塞がります。ヴィンセントがかなり生真面目なタイプなので、上司の命令に逆らわない分、どうやって話を閉めるのか興味が湧きました。
ラストは呆然としましたが、意外性があって良かったと思います。
リーアム・ニーソンが主役となると、彼の強さをメインにストーリーが構成されることが多いですが、本作では弱みを持った主人公を演じており、もう一人の主役であるガイ・ピアースの好演もあって面白い作品になっていました。
鑑賞日:2025年4月18日
鑑賞方法:CS ムービープラス
(録画日:2024年5月4日)