ナマラマナ

ザリガニの鳴くところのナマラマナのレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
4.0
見入ってしまいました。久々かも。こんなに集中して映画を観たのは。
そのくらい魅力的な映画でした。
まず主人公のカイヤの魅力が1つ。彼女の生い立ちがまずディープすぎ。
暴力的な父親の元、母が去り、兄弟たちが次々に去り、そしてその父親も去り。
わずか6歳で湿地帯にある家に取り残され、自分で生きてきたカイヤ。
町の人たちは誰も彼女を助けない。なぜなら彼女は『よそ者』だから。
おまけに名前すらきちんと呼ばない。カイヤのことを湿地の少女(女)って呼ぶの。
唯一、彼女のことを気に掛けるのは雑貨屋の黒人夫婦と湿地で知り合った上の兄の同級生だった男の子だけ。
それなのにとても純粋で湿地の自然を愛し、絵を描くことが好きなティーンエイジャーへと成長していきます。
もう1つの魅力が湿地帯の自然の美しさ。いろいろな鳥たちが飛び交います。
そしてカイヤは恋をして美しい女性となり、思わず幸せになってほしいって思っちゃいますよ。
でも彼女の人生は過酷な渦へとのみ込まれていきます。
ミステリー作品だけど、ミステリー的な要素は結構平凡なんです。
先が結構読めるし、ラストのどんでん返しも、あーーやっぱりそうかぁ~。そうじゃないかなーって思った、っていう展開なんです。
だけど、飽きることなく見入ってしまったというわけなんです。
不思議と殺人事件の犯人を責める気にはならないという、なんていうか暖かい気持ちで観終わることができるんです。
主人公のカイヤを演じたデイジー・エドガー=ジョーンズはこれからも楽しみな女優さんの一人となりました。
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