KANA

天使の涙 4Kレストア版のKANAのレビュー・感想・評価

天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)
3.7

『恋する惑星』の姉妹作品。
…なだけあり、これまたストーリーどうのというよりバリバリイメージ先行型。

夜の香港を舞台に男女5人がすれ違う。

ウォン・カーウァイを深堀りするに当たってクリストファー・ドイルという撮影監督の名もしっかり覚えた。
本作ではさらに尖ってる。
バッチバチなカットだらけ。被写体よりカメラワーク自体がセンセーショナル。
『恋する〜』がポップなのに対してこちらはひたすらクールに決めてた。
雑多なネオン街をいつにも増して情感たっぷりに。

エッジ効きまくりのカメラワークに加えて、ミッシェル・リーが気取りすぎてて見ててちょっと疲れたかな笑
正直、殺し屋のくだりは画面激しい割に個人的に刺さるものはなく…

そんな中、金城武演じるモウのキャラはゆるさがあってホッとする。
お父さんをハンディーカムで撮りまくるとか、
初恋の人に再会した時の動き(体勢?)とか。
この時代の彼のナヨっとした青年像萌え!大好き。

ビデオを見返すシーンとラストのバイクのシーンはグッときた。
共通するのは"儚さ"。
前作同様「賞味期限」という言葉も続出する。
あと「人や物は変わり続ける」というモノローグもあったと思う。
…家衛さんの諸行無常的な哲学、ひしひしと感じるなぁ。
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