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東京2020オリンピック SIDE:Bのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

東京2020オリンピック SIDE:B(2022年製作の映画)
4.0
2019年7月、オリンピック1年前イベントに集まる開会式・閉会式4式典演出企画チームメンバーである8人のクリエイターに、伝統と革新の融合を語るIOCバッハ会長。東京2020オリンピックへのカウントダウンが始まったかに思われたが、COVID-19(新型コロナウィルス感染症)の世界的蔓延を受け、2020年3月、史上初めて大会の1年延期が決まる。
組織委員会内では切迫した状況の中で、開催日時、スポンサーやボランティア、ロジスティックや宿泊、法的な問題など、山積みの課題を前に議論は紛糾。
一筋縄ではいかない状況に、国、東京都、自治体、民間企業と、出自の異なる組織委員会メンバーがワンチームとなり立ち向かっていく。
開催を反対するデモが行われ、大会開催には賛否両論あった。式典簡素化のため、開会式・閉会式4式典演出企画チームは解散。
森喜朗組織委員会会長の辞任を受け橋本聖子元オリンピック・パラリンピック担当大臣が新たに会長に就任、女性理事が増えることに。
そしてコロナ禍は長引き、ほぼ無観客での開催が決定される。
数々の問題と賛否が渦巻く中、ついに開会式を迎え、大会がスタート。
真夏の酷暑に見舞われ、札幌での開催となったマラソンは、前夜にスタート時間の1時間前倒しが決定され、スタッフたちは難しいミッションに挑んだ。
アスリートたちの平和の祭典の裏側で、どうにもできない現実を目の当たりにし、もがき、奔走した人々を記録するSIDE B。

バッハ会長の世界融和をオリンピックで示したいという志と裏腹に、電通などの広告会社の意見ばかり聞き日本文化に関して無知で日本文化を海外に配信していこうとする志がない組織委員会に憤懣を抱いて開会式と閉会式のアドバイザーを辞する野村萬斎たちの葛藤。
森会長の「女性は、わきまえろ」発言で明らかになる、日本のオリンピック組織委員会の前近代的な村社会ぶりとグローバルスタンダードに追いついていない部分。
選手団が満足できる味を追求する、選手村の食堂のシェフたちの奮闘。
野村萬斎たちアドバイザーの退任と電通の社長の佐々木宏がアドバイザーを引き継ぐ記者会見で、野村萬斎さんと佐々木宏がバチバチに目線と言葉でやり合うシーンなど、なかなか東京2020オリピックの闇に迫ったSIDE B。
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