時代の寵児イーロン・マスクがスペースXとして有人飛行を成功させるまでのドキュメンタリー。ただ、NASAのパイロットにもフォーカスが当てられるため、主眼はクライマックスの有人飛行に当てられているようだ(失礼ながら、そのせいである種の退屈さを帯びてしまった)。アポロ11号から技術が失われ、スケールの大きなアメリカといえども宇宙開発で不遇の歴史を経験したことは覚えておくべきだろう。宇宙産業をプロダクト開発のように失敗を許容しながら高速で学習していくプロセスは驚きであり、マスクの大金がなければ不可能だっただろう。マスクの多惑星文明実現という狂気を帯びたビジョンのこれからが気になるが、これは現実の話である。