がらがら

長ぐつをはいたネコと9つの命のがらがらのレビュー・感想・評価

4.5
笑って泣けるシナリオと最高のアクションアニメーションを堪能できる死角のない作品。びっくりするほど良かった。

『シュレック』の長ぐつをはいたネコが主人公のスピンオフ2作目、1作目未見だったけど問題なし。

『スパイダーバース』や『アーケイン』のような、CGアニメの新しい表現方法に挑戦するようなアニメーションが特徴的で、あえてコマを落として見せるアクションシーンは上手く説明できないけどとにかくイイ。

どんな願いも叶う”願い星”を求める主人公と主人公の元カノ、THE悪役なパイ工場の社長、熊の家族を持つゴルディ達、そして主人公の命を狙うウルフ。複数のキャラクターがそれぞれの思惑で動くシナリオが好み。単純に主人公VS敵という構図になっていないのが良かった。

敵対してるのに憎めないゴルディ一家は最高だったし、登場からアクションまでいちいちカッコ良すぎるウルフにも痺れる。

怖くても今の人生を大事にしよう、目の前の他人に優しくしようというメッセージが込められたシナリオが素敵で、ある程度予想はつく決着だったけど主人公とゴルディの選択には感動。(偶然にも『エブエブ』との共通点多め)

加えて声出して笑っちゃうようなギャグも満載なのも楽しくて、冒頭の8回死んだ理由の説明も笑ったし、よりにもよって最悪すぎる男の肩に乗ることになった正論コオロギも好き。

クライマックスになって初めて「これって『夕陽のガンマン』じゃん」って気付いた。やっぱり三すくみ的シナリオって最高。

子供向けなのに死の恐怖を描いていて、それだけだと流石に重すぎるテーマだからゴルディ一家の話も入れたのかな。
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