KnightsofOdessa

マルセル 靴をはいた小さな貝のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

2.0
[] 40点

同じ時期に公開されたA24配給作品『Everything Everywhere All at Once』にも似たような感じのキャラが登場するので、勝手に番外編かなと思っていたんだが、全然違うらしい。離婚したばかりのドキュメンタリー作家ディーンが新しく借りた家には、一つの目の足が生えた喋る小さい巻き貝マルセルがいた。彼は祖母と二人暮らしでこの家に"借りぐらし"をしていて、映画はマルセルがディーンのインタビューに応えるというモキュメンタリー的に進んでいく。前の住人がいた頃は、マルセルの両親に兄弟、叔父に隣人夫妻など巻き貝のコミュニティがあったらしいのだが、住人が大喧嘩をして家具をなぎ倒すので仕方なく衣服の中に避難したところ、衣服ごと荷物に詰められて住人と一緒に消えてしまったらしい。ということで、Youtubeや配信やSNSを通して前の住人を探していくが、認知症の進んだ祖母の体調が芳しく無く云々。

『借りぐらしのアリエッティ』の実写版のような感じで、壁の中に食料庫を作ったり、蜂蜜を靴裏に塗って壁を歩いたりというミニチュア好きにはたまらないDIYを見ることができる。元が短編映画だったというのも納得のアイデア物量戦であり、家族探しの方が添え物に感じるほど。しかも、コマ撮りなのに手ブレやピンボケまであって、技術の進化を感じる。でも、誰にも怒られなさそうな守りに入ってるあざとさが鼻について、途中でどーでもよくなってしまった。90分も続けることじゃない。
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