海老シュウマイ

犬も食わねどチャーリーは笑うの海老シュウマイのレビュー・感想・評価

1.0
この監督の作品は言うほど観てないけども、いつもイイ話に着地してるように見えて、登場人物にも、その結末にもビタイチ納得がいかない。
原作ありきで脚本が本人じゃない場合でも、登場人物に嫌悪感を持ててしまうのは不思議。特に男性。

リアリティや合理性、論理とはかけ離れた、かといって欲望や感情だけの人間臭い、愛すべきダメ人間でもない、とにかくありえない人ならぬモノたち。
「箱入り息子の恋」で夏帆が盲目であることの必然性や星野源のカエル的行動、本作の同性カップルの行動、結婚式での新郎新婦の行動、肘舐めシーンやラストの会社シーンはもはやコントでしかない。
これらの気持ち悪さ、不気味さが勝ってしまうのは、キャラクター造形としてどこか越えてはいけない一線を越えている気がするよ。

あと本作だと香取慎吾がたまに見せる、病気あるいは障害を持っているようなセリフや舌足らずなセリフ回しが本当に不快。そんな描写をしないとできない表現って何なのよ。


社会や社会問題に興味がなくても、せめて「人間」を描こうとすればいいのにそれさえできずに、「面白い」物語ができるわけがない。

台風家族だからぐるぐるするぜーとか、本作のレジ袋とか、一見、映画的なようで、大事な場面や作品のテーマは長々と演説させるし、結局、何が作りたいのか。

「クスッと笑えて泣ける話」程度の小劇場の舞台と、したり顔シネフィルさん相手の教科書的映画、の悪いとこ取りという感想。