滝和也

ミッション:インポッシブルの滝和也のレビュー・感想・評価

3.8
言わずと知れた
今やトム・クルーズの
代名詞となった
スパイ・アクション
シリーズ第一作。

イーサン・ハントの
快進撃はここに始まる…

「ミッション:インポッシブル」

往年のサスペンス・スパイ・アクションドラマスパイ大作戦。お馴染みのテーマソングと共に帰ってきました。トム自身が制作権を買い取り製作。自身の代表作にもなってますね。

ジム・フェルプス(ジョン・ボイド)率いるIMFのチームはある作戦を遂行しようとしたが、内通者により失敗。イーサン(トム・クルーズ)、ジムの妻であるクレアを残し全滅。イーサンは生き残った事でCIAに内通者として濡れ衣を着せられた。この作戦自体が内通者を炙り出すためのものだったが、彼はそれを逆手に取り、敵に接触、真犯人を炙り出そうと動き出す。

東西冷戦の終結を背景に描かれたスパイ内幕物として再生された作品であり、トム・クルーズに手を貸したのはサスペンスの職人でもあるブライアン・デ・パルマ。ヒッチコックを神と仰ぐ彼らしいサスペンスに仕上がっています。またこの内幕物の流れは007にも影響を後にダニエルクレイグ版で与えていますね。

真犯人は誰か、と言うフーダニットであり、誰が敵で味方なのかと言う外連味溢れる展開の妙。またこのシリーズの特徴であるチーム戦として印象に残る、スパイらしいCIAからのデータ強奪シーンの外連味溢れる演出。汗とナイフは落としちゃいけない(笑)

全編スピーディな展開であり、飽きさせず、時間を感じさせない巧みさ。謎解きから終盤のアクションに一気になだれ込むあたりもデ・パルマらしさでしょう。

まぁ…ただこの方の外連味、ある意味やり過ぎな所もあって、ラストのTGVでのアクションは劇場で見た際もやや鼻白む部分はあったのも事実ですね…。合成が過ぎるというか、まぁ大作ですから入れとかなきゃみたいな感じもありますが…。この油っこさが持ち味でもありますし…。

配役の豪華絢爛さもサスペンス性のアップつまり誰が敵かという部分に大分帰依してます。往年の名俳優ジョン・ボイドのフェルプス役起用。ヒロインにフランスの新星だったエマニュエル・べアール。やはり美しすぎる(笑)またフランスから大人気だったジャン・レノ。そして若きトム・クルーズのイーサンと素晴らしい配役ですね。トムがまだ小僧に見えるあたりが昨今のシリーズと比べるのも楽しいかもしれません。

最近のシリーズはトムが年齢を重ねるのとは逆に、アクションの度合いが高まり、サスペンスやミステリー的展開が薄まって来ているのも、ある意味凄いことだなと感じますね。ただ作品としての原点に近いのは今作であり、初めて見た時の驚きはこの作品がトップでした。見ていない方は少ないとは思いますが、オススメですね。
滝和也

滝和也