実話ベースでこれだけ面白くなるのは流石ロン・ハワードといったところか。主役二人をコリン・ファレルとヴィゴ・モーテンセンに据えて、安っぽいヒロイズム映画とは一線を画した傑作になっている。
この事件は2018年に実際に起こったもので記憶に新しい。報道だけでは伝わってこなかった現場の緊張感や困難さが描写されていた。言ったらミッションインポッシブル。そして、これは『トップガンマーヴェリック』にも言えたことだけど、ひとつのミッションの遂行で持たせる為の演出がめちゃくちゃ凄かった。洞窟内をひたすら往復する作業の繰り返しだけど、その中で様々な障壁が立ちはだかる。全身麻酔させて運ぶという、嘘みたいな救助方法にはビックリさせられた。
過剰な演出も一切無く淡々と話は進む。極めて職人気質な映画。
