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哭悲/The SadnessのTSのレビュー・感想・評価

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)
4.1
【倫理観が全くない最狂ゴア映画】86点
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監督:ロブ・ジャバズ
製作国:台湾
ジャンル:ホラー
収録時間:100分
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 2022年劇場鑑賞39本目。
 台湾発の凶悪ゴア映画。席はほぼ満席状態でした。まあ恐らく満場一致でR18指定でしょう。倫理観がぶっ壊れていて、監督のやりたいようにやりまくった映画なんだなと思われます。これを超えるゴア映画はない、とまでは言いませんが、古き良きゴア映画はサブスクやDVDでしか見たことなかったので、ここまでのゴア映画を劇場で見れたことに感銘を受けました。どうなんでしょう、日頃からこういうグロテスク映画を見ている人からするとまずまずといったところなのでしょうが、ふらっと観に来た人からするとかなり苦戦する100分間になるのではと思います。とりあえず、触れれば皮が剥がれたり目玉が飛び出たり、そのレベルのものが惜しみなく流れる映画と想定していただけたらと思います。

 ストーリーは単純明快であり、未知のウイルスが台湾全域で蔓延し、人々が暴徒化していくというもの。ゾンビ映画、と括りましたがいわゆる狂犬病の類なので、感染者たちは理性をもち、かつある程度の記憶も備えています。ここが他のゾンビ映画とは違うところでしょう。理性もなくただただ襲ってくるゾンビも怖いですが、「バイオ4」のように理性をもちながら、とにかく残虐に暴力を仕掛けてくる存在もかなり恐ろしい。攻撃欲、食欲、性欲、このあたりが剥き出しになっていくので、現場は血だらけの地獄絵図となります。血飛沫の量は間違いなく昨今公開された映画の中でもトップクラスでしょう。電車の中の血の量は中々えげつなかったですね。

 で、多くの鑑賞者にトラウマを植え付けるのが西村まさ彦に少し似ている、主人公をつけまわすストーカーおじさんでしょう笑(西村まさ彦さんごめんなさい) 感染前の記憶があるから、執拗に彼女を追っかけ回して、とんでもない愚行をしていきます。あのシーンは直接見せなかったものの、あらゆる人にとって吐き気を催す衝撃のシーンとなったでしょう。ちなみに、もしこのシーンを直接見せていたら、余裕で『ホステル2』あたりの衝撃シーンを超えてきたでしょうが、それは流石にR18でも無理なことでしょう笑

 物語の冒頭から引き離された主人公たち。無事に再会することができるのか。最後まで気が抜けない、良作ゴア映画の誕生です。万人にはオススメできませんが、完成度は高く、この系統の映画としては十分及第点です。興味のある方はお試しあれ。
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