社会のダストダス

哭悲/The Sadnessの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)
3.2
文字通りの血で血を洗う、出血大サービス、地獄絵図。最前列で観てしまったのも相まって血がブシャーっするたびに、返り血を浴びるのではないかと着替えの心配をするほどの気合の入った出血量。おそらく制作予算のうちの半分は採血にかかった費用ではないだろうか。

公開週の日曜に観ようとしたら余裕の満席御礼になっていて諦めざるを得なかったので、平日の御休みを利用して再チャレンジ。それでも最前列しか空いていなかった。みんな血に飢え過ぎではないでしょうか。

台湾で人間が凶暴化する未知のウィルスが流行。主人公の女性が清純そうな人なのだけど、電車で一緒になったスケベなおじさんに因縁をつけられて、パンデミックが起こったあとその人は、変態殺人おじさんに覚醒して追いかけてくる。執拗な追跡をかわしながら彼氏と再会するために奔走する。これで大体内容はネタバレしました、あとは血!血!血!アガイ血!です。

ゾンビとは違い豹変した人たちは人格を残しており、善悪の判断もできているが衝動を抑えることが出来ない。そのために頭に浮かんだ最悪の考えを行動にしてしまう。面白い設定だけど、考えた人の血は何色でしょう。

極めつけは『ミッドサマー』のピューちゃんを思い出す100点満点の笑顔。死遭わせ…幸せそうです。劇場を後にする人たちの表情が明暗くっきりするという意味でも面白い作品だった。