さとし

島守の塔のさとしのレビュー・感想・評価

島守の塔(2022年製作の映画)
4.0
これは終わり方が非常に良かったです。

終わり方だけを見れば、今年トップ3に絡めるほどです。とはいえ、死ぬ以外の選択肢がない人たちの分まで生きるというメッセージは素晴らしいです。村上さん演じる荒井泰造は栃木県出身でしたね。思わず驚いてしまいました。萩原さんと村上さんも良かったですが、やっぱり吉岡さんの演技はただもんではないです。「ハケンアニメ」のキラキラした感じと真逆で全く華やかさがなく泥まみれの状態で必死で生きるヒロインを熱演しました。個人的には何か賞をあげたいです。あとおそらくひめゆり隊の話だと思いますが、ユキの役の女優さんが印象に残りました。

しかし、確かに作品は暗いですね。でも最後まで希望を捨てない登場人物や無様な姿になっても生き続ける人たちの物語の描き方が良かったです。まあ、「パール ハーバー」ほどの予算はなくただ爆撃の音や飛行機の通過した音とかなるべく衝撃を与えない工夫もされています。あとわりと読まなきゃらならない情報が多かったですね。当時の映像も混ざっていて新しい物語にしようという工夫はありました。ただ物語というよりは展開の仕方は以前どこかで見たような感じと似てる気がします。空襲とか疎開どこかで見た記憶があります。個人的には同じ戦争をテーマにした作品で言えば、「あの日のオルガン」の方が素晴らしかったです。

まあ、最後にてるてる坊主を歌うシーンは ズルいくらいグッときて泣きました。いかに日本が平和があるのはこの人達のおかげもしますが、完全に平和といえないのが悔しいです。
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