映画鑑賞のおさる

CUBEの映画鑑賞のおさるのレビュー・感想・評価

CUBE(1997年製作の映画)
4.3
謎の施設に閉じ込められた数人の男女が、施設の謎を解きながら、脱出を試みる様子を描いたサスペンス・スリラー。

施設は、いくつもの立方体の部屋で構成されており、全体像はみえないがおそらく巨大ルービックキューブのような形をしているのだろう。出口がどこにあるのか、そもそも出口があるのかさえ分からない。施設には数々の罠が仕掛けられていて、部屋を移動するたびに命を危険にさらさなくてはならない。こういう謎めいた設定の映画は最近でこそ増えてきているかと思うが、1998年の時点でこの設定を考え付いて形にしたのがすごいなと思う。

部屋を移動するたびに何かあるんじゃないかとハラハラするし、いかに罠がある部屋を避けて移動するかを試行錯誤する様子が見ていて面白かった。また、罠が仕掛けられた部屋を見つけ出す法則や、施設の謎を解明する過程が理屈っぽくて好みだった。(因数の数が天文学的数字とか言っていたが、2つ~4つとかばっかりでなにが天文学的なのかイマイチわからなかった(笑) 計算に時間がかかるということ?)

登場人物たちも見ず知らずの男女で、それゆえに互いに疑心暗鬼であるのがより一層この映画を見る者の不安感をあおる作りになっていた。特に、最初はいいやつだと思っていたやつが後半どんどんヤバいやつになっていくのにはスリラー映画ならではの恐怖を感じた。

ラストの終わりかたも、謎を残しつつ、不満は残さない、印象的でよい終わり方だった。子どものころに一度見たことのある映画だが、人生を通しても記憶に残る作品になった。