皆ご存知、カナダ発の密室系スリラー映画の金字塔。
謎の立方体の部屋が続く大迷宮に放り込まれた、7人の脱出劇を描いた物語。
舞台や設定、人物など、物語を作るにあたって必要な説明の全てをそぎ落とし、極限の密室空間によって暴かれる人間の本質に焦点を当てた傑作。
舞台がワンセットな密室であるが故に、低予算でありながらも高クオリティに制作できるその手法は、コペルニクスにも並ぶ天才的な発想だ。
また、謎が謎を呼ぶストーリーをスムーズに進行させているので、退屈に感じさせる隙を一切与えず、観客を飽きさせないための工夫が随所に施されている。
個人的に好きな映画ではあるんだけど、説明不足な部分が多く、突っ込みどころ満載なのもこの映画の特徴の一つ。
巨大な立方体の中にキューブが敷き詰められているのなら、なぜ個別のキューブが規則的に移動できるのかと今でも思う。
あと、レブンはその数が素数かどうか瞬時に判断できるのに、なぜ因数を確かめる為の素因数分解はためらうのか。
素数を見極めることの方が圧倒的に難しいと思うのだが。
素数と素因数分解を習う中学生におすすめしたい作品だ。