ブタブタ

CUBEのブタブタのネタバレレビュー・内容・結末

CUBE(1997年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

低予算ソリッドシチュエーションスリラー。
強制参加型デスゲーム物の先駆的作品。
今ならジェイソン・ブラムさんが作りそう。

「軍産複合体による実験兵器」「007に出て来る悪の組織が作った」「イカれた金持ちの道楽」
どれも違っていて結局のところ、コレは年末の道路工事みたいな余った予算を消費する為の意味の無い公共工事で、それがどんどんエスカレートして予算も規模も膨らんだ結果、作ってる本人達ですら分からない奇妙奇天烈な巨大拷問実験処刑施設(?)が完成したんでしょうか。

警察官のクエンティンは最初リーダーシップを発揮して皆を引っ張るも、徐々に狂い始め殺人鬼・悪役を一手に引き受ける。
『漂流教室』もそうでしたが教師や警察官など普段「理性」を求められる職業の人間は映画では極限状況に陥ると必ずと言っていいほど狂い始めますね。
でもこの男本当に警察官何だろうか?
実は全部妄想のアブナイ奴で妻も子供も実際には居らずパーティーを引っ掻き回す為に敢えて入れられたのかも。

数学女子学生レブンとサヴァン症候群のカザン、この二人だけだったら簡単に脱出出来たかも。

そして7つの監獄を破った脱獄王レン、彼の登場で希望が湧いてきたと思ったら即、死で一気に絶望に叩き落とされる意地悪な展開。
設計者の1人であるワース、無気力ダメ男と思わせつつ彼が一番の「漢」であったと言うキャラクターの変換、演出が見事。

そしてなんと言っても冒頭に登場しCUBEの実験体として賽の目切りになる痩身スキンヘッドの男オルダーソン、彼によってCUBEがどの様なモノなのか、罠の存在やルール、設定がひと目でわかる之また見事な演出でした。

JOJO第2部でナチスの吸血鬼化実験の被験体にされる男の元ネタはキューブ冒頭のこのシーンなのでは?
狭い空間や残忍な人体実験、オルダーソンのルックスが何か似てる気がして。
ブタブタ

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