東朴幕院

EO イーオーの東朴幕院のレビュー・感想・評価

EO イーオー(2022年製作の映画)
4.1
イエジー・スコリモフスキ監督は初鑑賞。何とも言えない感情を覚えた。
サーカスでカサンドラと共に演目を担当するロバのイーオ。サーカスでの動物の扱いの是非はあるもののカサンドラとの生活は幸せなものに見えていた冒頭からポーランドでの動物虐待からの規制と債務によりイーオら動物が没収されてしまう。そこからイーオの流浪の旅が続くのだが寂しい時や辛い時にカサンドラとの生活を思い出すというシーンに涙。
その流浪の旅には、サッカー応援で分断された街を描いたり、狐の皮を剥ぐ為の作業所など、人間の愚かな所業をイーオの黒い瞳に映しながら信仰する所はピリリと皮肉が効いていて大いに印象的であったね。
そういう客観的に人間の業を描いた寓話なのかと思わせて、最後には現実である事を観客に突きつけていく姿勢に生唾を飲み込む程であったね。
イーオを演じるロバたちがとてもチャーミングであった。
東朴幕院

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