いつもいっちゃん

別れる決心のいつもいっちゃんのレビュー・感想・評価

別れる決心(2022年製作の映画)
4.5
カンヌ国際映画祭の監督賞受賞。
アカデミー賞ではガン無視されたパク・チャヌク監督最新作。何故??
殺人事件の容疑者の女とそれを追う刑事のサスペンスラブストーリー。
なかなか言葉にしにくい面白さ。

第一の殺人、第二の殺人の展開の中で魅せる容疑者と刑事の関係性。
作り込まれたカメラワークと、異質で迷宮のような禁断の領域。
2人だけしか理解できない空間のあり方を覗き見るような作品。
2人の関係性が近いようで不確か。
ずっと近いような演出方法でありながら、信頼できるものが一切ない。ただ確かなのはお互いに求めあっていること。
殺人現場の回想の映し方が第三者目線で描かれ、少しヒッチコック味のある。
言葉や表情で魅せる官能性。
一体何を観せられているかが理解できないまま弄ばれるような面白さ。
霧が晴れたと思ったら霧がまたかかり始めるかのような展開。
魔性を強く感じるし、執着をここまでラストに求心力をもたせるのは凄い。
典型的なロマンスから変形していく、少しエロティックでゾクっとする異質な映画体験。
2度見直したくなる。
かなり変態的。
もしくは2回目からが本番なのでは??と思わせる映画でした。