菩薩

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像の菩薩のレビュー・感想・評価

2.5
アンソニー・ホプキンスが「完璧な歯」を自慢するシーンがあるのでそのうち誰か頸動脈噛みちぎられるんだろうと期待していたがそんな筈も無く彼は呆気なく沈黙し…むしろ監督自身が噛みつけなかった幼少期の悔恨を淡々と綴る作品だった。自称リベラルに潜む差別意識やら、「大人」に対する絶対的な不信やら、教育を懲罰と剥奪だと勘違いしてるベテラン教師やら、最近よく目にする共和党的な何かに対するアレルギーやら。ただ持つ側の人間に人生の不条理や不公正、不公平を説かれたところで正直「あっそ…」となってしまったし、おそらくその特権性にに対して無自覚、ないし自覚的でありながら甘んじている人々に対しての批判が主題になってくるのだろうけど、自らの過ちを反省も出来ないクソガキの目線で語られてもなにボクちん可哀想ムーブしとんじゃとしか思えなかったし、アンソニー・ホプキンスの優しい爺ちゃん素振りは良かったとは言え、こうやって祖父母に甘やかされる事で図に乗るクソガキも多々いるしなとまるでノレず。美術館のくだりも流石にあれは引率側の管理不行き届きが問われて終わりだろ、だからこそ私は芸術の道に自由を見出したのだって事なのかもしれんが、こう言う懺悔は個人的にやればとしか思えなかった。
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