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聖地には蜘蛛が巣を張るのmat9215のレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
3.5
アリ・アッバシの直球勝負。前作『ボーダー 二つの世界』は寓話的なつくりで当方の心には響かなかったけれど、本作は力強い。戦争帰還者の私的ジハドと、それを歓呼するイラン社会のミソジニーをストレートに描く。気の強い女性記者の活躍や受難、犯人の妻が女性記者と対照的に夫やイラン社会に従順であること、あるいは男社会で肩肘張って生きる女性記者を支える同僚男性がブサメンのいい奴というのも、みんな図式的ではある。けれども、犯人のメフディ・バジェスタニや女性記者のザーラ・アミール・エブラヒミ、同僚男性、犯人の妻や息子、それに殺される娼婦たちといった俳優たちの顔に説得されてしまう。
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