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パラレル 多次元世界のドントのレビュー・感想・評価

パラレル 多次元世界(2018年製作の映画)
3.5
 2018年。やったね!! すこし・ふしぎをグツグツ煮詰めて異常世界を作り上げるメキシコからの刺客、アイザック・エズバンが英語圏進出。平行世界と繋がる鏡を見つけてプチ成功した青年たちだったが当然ながらドえらいことになっていく。
『ダークレイン』『パラドクス』とは違い脚本は監督本人ではないが、両作に近いテイストの、なんというかこっちの感覚をグニョッ、と曲げてくるようなお話であった。設定の積み方とレールの踏み外し方が監督のホンと似ているのである。ちょっと善性を足してポップにしたかな、といった具合。
 グニョッ、と曲げてくるし鏡がモチーフなので、映像までグニョッとした鏡像を用いる。このあたりエズバンのクソ真面目ぶりが光る。好き。いささかチャカチャカした編集だけどまぁ芽の出ない青年たちのサクセス&破滅ストーリーなのでこれもアリかな、と感じた。時間速度180倍設定が序盤で放棄されるのは気になる。エズバン本人の筆ならこの設定でさらなる異常世界が出来したはずなのだ……
 ともあれファンとしては多少の不満はあれど「あっはは~おかしいことになってきたぞ~」「わは~異様だ~」とワクワクさせてもらえたのでよしとしたい。なお新作はメキシコに戻ってのおばあちゃんホラー(?)『Mal de ojo(邪眼)』らしいので配給会社は早めに買い付けてください。お願いします。
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