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パラレル 多次元世界の福福吉吉のレビュー・感想・評価

パラレル 多次元世界(2018年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
ノエル、デヴィン、ジョシュ、リーナの4人はアプリ開発でチームを組んでいたが、営業先では短期間で完成されるよう求められ、立ち行かなくなる。そんな中、彼らの住むシェアハウスに隠された屋根裏部屋が発見され、そこには並行世界へとつながる大きな鏡があった。彼らは並行世界の時間の流れの違いを利用してアプリ開発に成功するのだったが...。

◆感想◆
4人の若者が並行世界へつながる鏡を手に入れたことで欲望を満たそうとするストーリーとなっていて、並行世界の違いが細かく設定されていることが作中で彼らがその違いを調べる行為によって観ている側にも分かるように描かれていて、自分だったらどうするだろうかと考えてしまう面白さがありました。

ノエル、デヴィン、ジョシュ、リーナの4人はチームでアプリ開発しており、普段はバカ騒ぎしながらも成功を夢見る普通の若者として描かれていて、特に嫌悪感を抱かせる部分は無かった。彼らが屋根裏部屋の鏡を発見した後も冷静に並行世界と自分たちの世界の違いを調べていて、4人が上手くこの鏡を利用して成功しようとする姿も普通だったと思います。

しかし、各々が自分の欲望を満たそうと暴走し始めてからストーリーはきな臭い雰囲気に包まれていき、並行世界でジョシュに異変が起きてから、4人の関係が一気に崩壊を迎えます。ノエルは完全に鏡の虜になって暴走する中、デヴィンとリーナは並行世界を利用した成功に意味を感じなくなっていて、それぞれの考えや心情の違いはよく表れていて面白かったです。

本作の肝となる並行世界には、その世界の自分たちがいて普通に生活をしているのですが、本作ではノエルら4人が並行世界の人々の金銭や創造物を奪い取って自分の世界に持ち帰り、欲を満たしていて、それは狡いやり方だと思う一方で少し羨ましいと思う気持ちもあって、ノエルたちがそれぞれ独自の使い方をしていて面白かった。

並行世界を利用する作品としては独自性がしっかりあるとともに人の欲望の計り知れなさが描かれていて最後まで十分に楽しむことができました。ちなみに終盤に予想外の残酷な描写があるので、観る方はご注意ください。

鑑賞日:2025年3月19日
鑑賞方法:CS ムービープラス
(録画日:2024年1月25日)
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