灯火

ノー・シャークの灯火のレビュー・感想・評価

ノー・シャーク(2022年製作の映画)
3.8
何処までが皮肉なのか、それともそんなつもりもないのか、虚栄なのか本気で言っているのか、そもそも現実なのか妄想なのか、全編通して主観で語られるのであまりはっきりしない。他者の視点が全く存在しない。それに加えて捲し立てるような早口で語られるせいで情報の多くはほぼ右から左に流れてく。画面もほとんど動かない。
しかし雑に撮られたB級映画というわけではなく、何を画面に入れて何を画面に入れないかということには特にこだわっているように見えたし、改めて見てみれば白画面と黒画面の使い分けにも意味を持たせている。全ての演出に意図があると考えるなら、奇妙に見える演出は全て、演出の意図を隠す為に入れていると捉えられるんじゃないかなと思った。
そのおかげでとてもわかりづらい作品に仕上がっているので、
一体どうしてこの映画を撮ろうと思ったのかなとずっと考えていたが、答えは単純で、監督は単にサメ映画が大好きなんだろう。
屈折した主人公に気を取られるが1番屈折してんのは監督自身なんだと電車の中で気がつきました。
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