Lynne

インランド・エンパイアのLynneのレビュー・感想・評価

インランド・エンパイア(2006年製作の映画)
3.4
最高に意味がわからなかった。さすがリンチ史上最難関と言われてるだけある。リンチの手法をある程度わかった上で観たつもりだったんだけどなあ…
大まかな仮説は立てられても説明できないところも多くて結局頭にはクエスチョンマークが残る

でもリンチの映画って、彼の頭の中の映像をストーリーに落とし込まずにそのままスクリーンに映し出してるシュールレアリズム的感じだから、まあ彼の中では全ては繋がってるんだろうけど、観客はリンチの頭の中を覗き込んで目の前に映るものを受け止めるしかないのかなって気もする。これは特にね

この作品を分かりづらくしてるのは、作中作とさらにその原作…みたいなのをなんの区切りもなく、しかも同じ役者が二役三役でその世界を行ったり来たりするところにある。
ただタイトルの通り「誰の」"インランドエンパイア"なのかってところが理解するキーなんじゃないかと思ったり。
そしてドキュメンタリーみたいな画質の荒いハンディカムと、ピントの合ってない不自然なクローズアップ、そして常に歪んだエッジがなおさら観客を酔わせて、"気持ち悪さ"を与える

なぜか楽しくて最高なラストシーンというかエンドクレジットはニーナシモンなのね


*5/24 追記
あれからたくさんリンチ映画を観まして、再チャレンジしたけどやっぱりわからなかった笑 でも分からなくていいんだろうなと思う。

そもそもリンチは完璧なストーリーをバラバラにしているのではないから絶対どこかの辻褄は合わないし、ストーリーがあってそれを映像にしたのではなく、観客が映像から自由にストーリーを膨らませるように作ってる。絵画を鑑賞するみたいに。だから正解はない。

だってこれの撮影なんて、紙切れにリンチが走り書きしたメモみたいな脚本を撮影当日に役者に渡して撮ってたんでしょ?ウサギちゃんのシーンなんてそもそも別の映画だったらしいじゃない。完璧な繋がりを求めるほうが無理だよ笑

今ならわかるけど、これってほんとリンチファミリーオールスターズなんだね。
最後にリンチのやりたいことを全部強引に詰め込んだ映画なんだろうなあ。

途中のThe Locomotionも楽しいし、何度観ても最高のエンディングは、映画よくわかんなかったけど、リタもミコもいるしとりあえず踊ろう!ってなる🕺
Lynne

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