観たかったけど世間で評価が低かった映画が自分にハマると1.5倍増しくらいでニコニコしちゃいます。そんな帰り道です。
とある3人家族の休暇、山小屋に泊まっていると凶器を持った4人組がやってくる。
「終末を食い止めるために家族のうち1人を犠牲にして欲しい」
そもそも本当に終末がやってくるのか?
1番本質的なそこがよくわからないままどんどん話が進んでいく。山小屋の閉じた空間の中、ニュース映像だけで終末の予感を観せられる。
いやいや、偶然ぽいし仕込んでるだろお前って感じが絶妙にするんです。
たとえ本当だとしても飲み込めない選択に、カルト的胡散臭さが漂いながら決断の時が訪れて、選択を拒否するたびに来訪者が1人ずつ殺されていく。
なにこれなにこれなにこれ!!?の連続。
…でもこの物語は「真実がわかること」に本質があるわけではないと感じました。ちょっとオカルト的だけど。
戦争だって疫病だって災害だってそうだけど、ニュースの映像だけでは実感は伴わない。近年のあらゆることが肌感覚で僕らに刻み込んでいきました。
そんな中でより壮大に「世界が終わるから食い止めるために犠牲になってくれ」と言われたら僕だったらどうなるだろう。
そしてじわじわと近づいてくる実感と拭えない疑心。
うっかり見えちゃったものが自分の中で腑に落ちた人がきっと決断する。
残された人は真実を知り、その重みを知る。
後悔であったりまだ消えない疑心であったりさまざまな感情が入り混じりながら車の中でする"選択"が非常に人間らしくて好きでした。
家族に訪れるミステリアスで最悪なミクロの視点と、世界の終末というマクロの視点の対比。
冒頭のバッタを捕まえてビンに入れることが、そのメタファーとして、さらに言えば映画と観客の関係として抜群でした。
"わけわからん論理"でお話が進んでいき、それが一般人を巻き込んで感情のお話に帰結することが宗教的。
そしてニュース映像も個人的に好きでした。
地味かもしれないけど、それでも次々に落下していく飛行機が良かったです。墜落する数が絶妙なんだよなあ笑
ハリーポッターのロン役ルパートグリントが久々にスクリーンで観れたのも良かった。
この人ボンクラ役としてすごくハマってたのでこれからも映画出てください