東朴幕院

ノック 終末の訪問者の東朴幕院のレビュー・感想・評価

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)
3.8
シャマラニストである筆者は、本作は期待と不安が半々なものであった。というのも、こういう世界の終末を描いた作品としてはあの珍作『ハプニング』がある訳で風呂敷を広げ過ぎた結果、どう作品を終わらせるのかという課題に見事に失敗したからだ。
そして本作品は、冒頭からポリコレな匂いを漂わせているが、本題にずしっと入る所は観客への掴みはバッチリであったと思うね(本当であれば予告編で見たシーンなど、一切情報なしで見たかったのだが)。
上手いと思ったのは、ゲイカップルの一人、ジョナサン・グロフ演じるエリックが脳震盪を起こして朦朧としている中でパートナーのアンドリューを両親に紹介した時のエピソードの挿入。これは本作のテーマである選択・決断を印象付けるものでこれから起きるであろう事を暗示していて良いなと思った。
また本作はじわじわと続く緊張感も維持されていて中弛みもなく上映時間も程々でそこも評価したい。
そして、これらの事象と因果関係を信じるか信じないかは観客次第と作品の冒頭の主人公たちの立場と同じ様に放り投げられる潔いのもグッド。
『ハプニング』よりも遥かに上々な出来栄えに満足感があったね。
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