くぅー

アウシュヴィッツのチャンピオンのくぅーのレビュー・感想・評価

3.9
“自分が生きたいように。” by 77番

»1940年のナチスのアウシュヴィッツ強制収容所で、司令官や看守らの娯楽と位置づけられながやも、生き延びることを諦めずにリングに立ち続けたボクサー…タデウシュ・“テディ”・ピトロシュコスキの実話をベースに描いたドラマ。

で、やはり心して見る作品でしたね…チャンピオンってタイトルですが、あのロッキーの様な輝かしいスボ根要素はほぼないし、当然にむごたらしい非道さも否応なしに描かれるので。

そう、ボクシングのルーツを語るシーンがありましたが、真摯に闘っていた過去の強みがあったからで…何も強みのない自分なら、気力だけではあの場所では持たないだろうなぁと。

そして、僅かな救いの存在も効いてるんですが…にしても、スポーツとしてではなく真に生き抜く術としてのボクシングの拳は、この上なく重いかと。

うん、ラストのエンドロールの映像で何とかホッとはできましたが…いずれにせよ、派手さはなくともボクシング好きは必見の一本。

なお、キャストでは、ピョートル・グウォヴァツキの独壇場…見事過ぎる熱演でした。
さらには、グジェゴシュ・マウェツキにマルチン・ボサックにピョートル・ヴィトコフスキらのサポートも良きです。
くぅー

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