ろく

シニアイヤーのろくのレビュー・感想・評価

シニアイヤー(2022年製作の映画)
3.8
主役のレベル・ウイルソンがどう見ても森三中の黒沢にしか見えないので黒沢ファンの自分としてはどうにも甘くなってしまう作品。

まあ、「アルマゲドン」が20年も前の作品だったことに、「なんだと!」ですよ。だってついこないだの映画じゃーん。もうあれから20年経つんだと改めて愕然。人生、終わりに近づけば近づくほど時の流れは速いというけどむべなるかな。ああ無情ですよ。

それはさておき本作。18歳の少女がチアリーディング中に昏倒、20年後に目が覚めるという北村薫「スキップ」的な作品。でも日本はどうにも内省的になるんだけど、そこはアメリカ。ネットフリックス。ポンコツハッピーパラダイスですよ。

最近思っていることは今の子の価値観は僕の時代のころと大きく変わっていったということ(それは日々の指導でも痛感)。それはいい/悪いではなく「違う」んだよ。でもこの映画はそこから「昔はよかった」にならず今を肯定する。それって大事なんだよ。年をとればとるほど「昔はよかった」。でもそんなのはただの慰みなんじゃないの。そう思っていたので「お前もしっかりしろよ」とハンマーで殴られた気分ですよ。

観ていて多少下品かなとか多少ステレオタイプすぎねえといった思いもあるけどまあ許容レベル。何よりも最後のダンスシーンでぶっ飛ぶじゃないか。「SUNNY」なんかでもラストダンスシーンが大好きだけどこれはもっとぶっ飛んでいていい気分で映画を見終わったよ。

ネットフリックス映画はあまりはずれがないんだよなぁ。よくできている。配信でここまで作られたらほかのが駆逐されてしまうよねえ。それだけが心配(いらぬ心配)。
ろく

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