カオリ

シャンカラーバラナム 不滅のメロディ(2015年リマスター版)のカオリのレビュー・感想・評価

4.2
インディアンムービーウィーク(IMW)2022にて…
これだけは絶対に観たい!と思っていた。
古典音楽と古典舞踊に彩られたインド映画の“芸道もの”の金字塔とのことです。
1979年に制作されたテルグ語映画の歴史的名作の
2015年にデジタルリマスターされたタミル語版を鑑賞

あらすじは…
南インド古典声楽の巨匠シャンカラ・シャーストリと、彼を崇める娼家の生まれであるトゥラシ。
シャンカラの古典音楽とトゥラシの古典舞踊が共鳴していくかのように…
古典が衰退していく時代背景におけるヒューマンドラマ。

このメロディめちゃくちゃ頭に残る!
観てから1月以上が経ってしまった今も、これを書きながら頭の中で「シャンカラ~♪バラナム~ゥ♪」って歌えます。紛れもなく不滅です。

インド映画…と一括りにするのもあれかも知れませんが、しかしインド地方で作られる映画全般、漏れなくリズムと関わりが深くて。そんな所もインド映画を好きな理由の一つであるのですが、今作はメロディ。
メロディとは、旋律のことであり、リズムと同じくらいに地域性があるものだと思います。

現在でもカーストの根が張るヒンドゥー社会のインドですが、この映画が作られた当時はさらなるものだったことは明白。
そんな時代における、身分を越えた、もはやホームドラマのような雰囲気さえただよっていました。
古典コテンと言われると、なんか堅くて分かりづらいのでは…と思われるかも?しれませんが。
ユーモアたっぷりな愛らしい登場人物ばかりで、うふうふ楽しんで鑑賞できました。

インド文化の沢山が盛り込まれた今作。
郷土愛といいますか、この時代この場所であったから作ることができたもの。美しい旋律に乗せた美しい物語でした🎶
カオリ

カオリ