Jun55

マドラス 我らが街のJun55のレビュー・感想・評価

マドラス 我らが街(2014年製作の映画)
4.4
IMW2022パート1
IMDb8/10、インド映画賞受賞、監督は、最近ラジニカーントとも組んでヒット作を送り出しているパ・ランジット監督、と観る条件が揃った。(因みに、IMWは時間的にもやはり全部は鑑賞できないので、何をどのように選ぶかの軸が必要!)

期待通り、面白いし、やはり映画に個性があるのが良い。
テーマは政治、カーストと重いテーマと思いきや、北チェンナイのダリトが住む居住区を舞台に、そこに住む人々の息吹が感じられ、重いテーマを身近なものとして感じさせる効果がでている。サッカー、ラップ音楽、恋愛。どの街とも違わない日常。
撮影も工夫しているのだろう、生き生きとした街の雰囲気が巧く描かれている。(映画の名前が地名になっているところからも、監督の、この地区への思いが感じられる)

壁という”象徴”をうまく使っているところも面白い。
人を束ねるときには、何か象徴的なものが必要になり、この映画では、それを壁(壁画)に求めた。独自性が光る。
壁が神秘性を持ち始める。
そして、壁を通じての最後のシーンは、強烈なメッセージ性があり、思わず納得。その締め方が巧い。

主人公のKaaliと刎頚の友Anbuの友情関係、また、二人の政治に対する考え方の違い。
その人間関係にも意味、示唆を持たせている。

アクションシーンもキレがあり、ドキドキハラハラ感が堪らない。

https://note.com/india_film/n/n8966ff058f0d
Jun55

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