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波待ちのKUBOのレビュー・感想・評価

波待ち(2022年製作の映画)
4.5
今日はお友達の壇上かおり監督の新作『波待ち』を見に K’s Cinema へ。

湘南の海と、妻を亡くした男と、訳ありの女。

「人生には波があるんだよ」

40年働いてきた男は人生を振り返る。

「私『波待ち』してる時間も好きなんです」

サーフィンと人生を重ねた脚本がオシャレ。

穏やかそうに見えた湘南のビーチから一転、女と出会ったことで男の人生は意外な方向へと転がり出す!

まず、主演の入江崇史が素晴らしい。私は『獰猛』という映画でファンになったのだが、あの狂犬のような目はどこへやら、人生に疲れた男の目に、時折浮かぶ少年のような眼差しに引き込まれる。

穏やかな海の「静」、サーフィンを追う「動」、撮影が素晴らしい。

音楽もほぼ全編に劇伴が付く。インディーズとは思えないクオリティだ。

後半の畳み掛けるようなテンポのいい演出! 36分の中で二転三転するサスペンス感。

どんなラストになるのか、終盤はいろいろ考えながら楽しませてもらった。

撮影中の監督のSNSから素敵な作品になる予感は感じてたけど、これをベースに長編も作れそうな世界観のある秀作。期待以上の素晴らしい作品だった。
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